全体的な「住まいづくりのスケジュール」をつかみましょう。
STEP1:イメージづくり
どんな家をつくろうか、家族みんなで要望や不満点を出し合い住まいのイメージを作ります。カタログを取り寄せたり、住宅展示場を訪問して実物大のカタログであるモデルハウスを比較検討するのも有効です。
STEP2:資金計画
【重要ポイント:当初の計画をしっかりたてる】
収入と支出のバランスを考え、自分にあった無理のない計画を立てましょう。また本体工事費以外の諸経費、別途工事費がいくらくらいかかるのかも必ずチェックしておきましょう。家を建てる場合の基本は「どのような家を建てたいのか、そのために用意できる資金はいくらなのか」をはっきりさせておくことです。
諸経費・別途工事費
建築資金としては、建築工事費以外にも以下のような多くの経費がかかりますので、その費用についても十分見込んでおき、 設計者や施工業者に最初に全体予算をはっきり伝えましょう。
■「建築工事費」の他に
・設計費用
・工事監理費用
・不動産取得税
・ローンの手続き費用
・引越し費用
・登記費用
・仮住まいの家賃 など
■「建築工事費」でも本体工事費に含まれていない場合のあるもの
・敷地の測量費用
・地質調査費用
・造成費用
・地盤改良費用
・設備費用(電気、ガス、水回り等)
・外構工事費用(植栽、門、塀等)
・建具費用(雨戸、網戸等)
・照明器具やエアコン等の設置費用 など
※敷地の状況によっては屋外の上下水道やガス工事などに多額の費用を要する場合があります。
STEP3:依頼先選別
【重要ポイント:業者選びは慎重に行う】
ハウスメーカー、工務店、建築家など様々な会社のメリットを検討した上で集めた情報を基に、依頼先を2〜3社に絞ります。
STEP4:プラン・見積もり相談
依頼先に敷地調査、地盤調査を要請し、プラン・見積もりを提出してもらいます。土地が決まってなければ、依頼先に土地探しから協力してもらうか、不動産会社に相談してみます。尚、見積書は建築の全工程に対するもので、建築工事・設備工事・外構工事からなり、この見積もりに入ってないものは別途工事として明記されるのが普通です。工事一式いくらといった概算見積書だけでは不十分です。内訳明細書を作成してもらいましょう。
STEP5:契約
プラン、見積もり、対応などを厳しく比較検討し、依頼先を1社に絞り込みます。 その後、本見積もりをとり、プランを固め、設備仕様が決まると工事請負契約を結びます。
工事請負契約について
建設業法第19条で記載が義務付けられている請負契約の内容
1)工事内容
2)請負代金の額
3)工事着手及び工事完成の時期
4)前金払い、出来高払いの時期及び方法
5)設計変更、工事延期等の場合の工期、請負代金額の変更又は損害の負担
6)天災、不可抗力による工期の変更、損害の負担
7)価格変動による請負代金、工事内容の変更
8)工事施工による第三者への損害賠償の負担
9)注文者による資材提供、機械貸与の内容、方法
10)完了検査の時期、方法、引渡しの時期
11)完了後の請負代金の支払い時期及び方法
12)履行遅滞、債務不履行の場合の遅延利息、違約金、その他の損害金
13)契約に関する紛争の解決方法
STEP6:着工
確認申請、地鎮祭を行って工事が始まります。建築主としてもできるだけ現場に赴き、工事の節目として建物の配置や基準高さの決定時、基礎配筋、柱梁の躯体部分や設備配管工事等(見えなくなる部分)の確認は、自ら行うことが大切です。
STEP6:上棟
【重要ポイント:工事監理をしっかり行い、中間検査や完了検査を受ける】
家の骨組みができあがり、上棟式をむかえます。
STEP7:完成・入居
工事担当者と施主の立会いのもと工事内容の最終確認(竣工検査)を経て鍵、保証書 と共に建物の引渡しを受けます。図面どおりに仕上がっているか、傷や汚れはないかなど下記リスト表を参考にチェックしてみましょう。
引渡し時のチェックポイント
住宅の完成から引越しまでの間に最低一度は建物の最終チェックをします。
建物内部を中心に、建具や設備等について図面どおりに仕上がっているか、傷や汚れはないかなど、次のリストを参考にチェックしてみましょう。不具合があれば、引渡しまでに請負業者(施工業者)に補修してもらいましょう。
図面 | 主なチェックポイント |
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図面との照合 | ■開口部の位置や大きさは正しいか ■給排水・ガス・電気・通信などの配管・配線は適当か ■スイッチ・コンセントの個数や位置は適当か ■使っている材質に違いはないか ■設計変更部分の施工は正しいか |
屋内 | 主なチェックポイント |
床 | ■仕上げの凸凹・継ぎ目のずれ・はがれ・色むら・汚れ・傷たわみ・床鳴り・傾斜はないか |
台所 | ■仕上げの凸凹・継ぎ目のずれ・はがれ・色むら・汚れ・傷はないか |
台所 | ■タイル等のはがれ・ひび割れ・収納場所の不具合はないか ■換気・防火は十分か ■水道水に濁りはないか |
浴室 | ■タイル等のはがれ・ひび割れ・目地の不良はないか ■排水はきちんと流れるか |
洗面所 | ■洗面台のひび割れはないか ■排水はきちんと流れるか |
階段・廊下 | ■きしみ・がたつき・傾斜はないか |
ドア・ふすま・ クローゼット |
■そり・ゆがみ・開閉不良・傷はないか |
窓 | ■そり・ゆがみ・開閉不良・傷はないか |
網戸 | ■破れ・はがれ・開閉不良はないか |
雨戸 | ■開閉不良はないか |
設備 | 主なチェックポイント |
照明 | ■設置場所は適切か |
冷暖房 | ■設置場所は適切か ■動作の不良はないか |
換気設備 | ■動作の不良はないか |
外まわり | 主なチェックポイント |
基礎 | ■ひび割れ・欠損又は鉄筋の露出がないか |
外壁 | ■凹凸・継ぎ目のずれ・はがれ・傷・ひび割れ・塗り残し・塗りムラはないか |
ポーチ | ■タイルのはがれ・ひび割れはないか |
テラス | ■タイルのはがれ・ひび割れはないか |
バルコニー | ■コンクリート部分のひび割れ・手すり等のがたつき・塗装の塗り残しはないか |
出展「大阪府住宅まちづくり部建築新興課」